再会
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朝からジャーマンベーカリーでコーヒーを飲み、アンナプルナを眺めた。
10時ぐらいになり山ちゃんがネットをしたいというので、ぼくらはてくてく歩いてレイクサイドを目指した。
その時である。
途中にあるDBモモ(日本食うまい店)の近くに来た時、見たことのある奴がこちらに向かってくる。
「myさん、あれって・・・」
「う、うん。絶対アイツちゃう?」
全然似合ってないクルタとタイパンツを身につけこちらに向かってきたのは、なんとバンコクのさくらGHにいたドクターだった。
「ええ~っ!なんでmyさんと山ちゃん、ポカラにいるの!?」
「そらこっちのセリフやがな。どうしたん、こんなとこで?」
話を聞くと、ドクターはタイビザが切れたので、なんとなくネパールに来たらしい。
バンコクで会った時は思いっきりビギナー丸出しで意味不明の行動をとりまくっていたが、徐々に慣れていき、しまいにはさくらGHでフロントのアシスタントまでしていた・・・。
バンコクが初海外ではなく、以前ドイツに留学していたこともあるらしいが、郵便局の通帳や金貨など、何のために持ってきたのかわからない所持品があった。
あの頃のメンバーの中ではフランクザッパのようなズバ抜けたアブノーマルさをかもし出していたドクター。
妙に理屈っぽく、そんでもってプライドも高いため、パッカーからは敬遠されていたが、ぼくは一周まわってこういう人をイジるのが好きなのだ。
セブンでサイアム・サトー(タイの最下級の安酒。たちの悪い白ワインみたいな味)を買って、ドクターを酔わせ、いろんなウンチクを語らせるのが楽しかった。
ドクターはペンギンゲストハウスに泊っていた。
ポカラのペンギンと言えば、有名な日本人宿である。
そんでもって、ジャンキー宿である。
じゃあドクターの部屋に行こうよってことになり、ペンギンに向かった。
ドクターはペンギンの4階の部屋をとっていた。
日本のマンションと同じく、ポカラでも上の階ほど値段が高い。
アンナプルナが見えるからだ。
朝起きてカーテンを開けるとアンナプルナが・・・。
これ、ホンマに最高。
ドクターの部屋に行ってくだらないことを話しながらジョイントを一服。
ドクターは酒は飲むがタバコはやらない。
パソコンをいじりはじめたので、iTunesを覗かせてもらうと、ほう、モーニング娘からボブディラン、タイPOPまでなかなかのごった煮っぷりやのぉ。
その中で目を引いたのがCat Stevensである。
キャットスティーブンスを知ったのはぼくがロックンロールハイスクールの2年生の時だった。
当時パワーメタルやスラッシュメタルに飽き足らず、デスメタルにのめりこんでいる時期だったので、フォークとかポップミュージックなんかはまったく聴く気がなかった。
一方プログレなんかも聴いていたために、その世界観を表したアルバムの日本語タイトルに酔っている自分がいた。
ELPの「展覧会の絵」やキンクリの「太陽と戦慄」なんかである。
こういうロマンチストさんになってしまう時期って必ずあると思うし、いまだもって抜け出せないままオッサンになっている人も多いと思う(ぼくも含め)。
ある日、中古盤屋で「仏陀とチョコレートボックス」なるアルバムを発見。
「これはプログレか?」と思ったが、個人名が書いてあるのでプログレバンドではないと思い、ポイってした。
が、なんか気になって他のアルバムを見ると「Wild World」って曲が目に入った。
「Mr.BIGの原曲?へぇ・・・」ってことでレジに持っていった。
帰って聴いたがこれがなかなかええではないか。
それから無性に聴きたくなるときがあり、今でも聴いている。
ドクターにキャットスティーブンスをiPodに入れてもらい、お返しに米デスメタルの帝王モービッド・エンジェルの2nd 『病魔を崇めよ』 (本当にいいのかよ、このタイトル・・・)をあげようとしたが拒否された。
また関係ないことでたくさん書いちゃった。