狗判官 その2
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おかげで「ロンパヤバーン(病院)」というタイ語をまた一つ、覚えられた。
名前を呼ばれたので進んでいくと、診察室の前で待つように言われた。
座っていると、看護婦さんが物珍しそうにボクをジロジロ見てくる。
大丈夫なんか?
何をされるんやろ・・・。
そういやフィリピンで犬に噛まれた邦人が狂犬病で死んだってネットで見たっけ・・・。
不安でしょうがなかった。
それなのに若い看護婦のネーチャンなんて、「コニチワ、アリガト、アッハッハッハッハッハ~!」なんて挑発してくるもんで、思わず答える「サンキュー」。
何やってんだよ、オレ!
とにかく看護婦のテンションがマジカル頭脳パワーの板東英二のように高く、こっちのテンションは落ち込む一方であった。
再び名前が呼ばれ、診察室の中に入るボクチン。
「英語かタイ語がしゃべれるか?」とドクターに尋ねられる。
「どっちも少し」
そこからずっとタイ語トークが始まった。
わかるかっ!
注射はなぜか2種類打たれた。
いろいろ説明してくれるが、どうしても狂犬病のワクチンともう一つがわからん。
診察室を出るとゲンちゃんが待ってくれていた。
タクシーで帰り、ゲンちゃんとカオサンでメシを食った。
ゲンちゃんの説明によると、狂犬病のワクチンの他に犬の口は汚いので破傷風のワクチンを打ってくれたようだ。
狂犬病のワクチンは5回打たなければならないらしく、次の接種は3日後とのこと。
そのあとは7日後、14日後、1ヶ月後となっておる。
やまちゃんに今日あった出来事を話すと、山ちゃんも下の犬に甘噛みされたことがあるらしい。
「マジ、あのクソ犬むかつきますね~。ヤっちゃいましょうか?」
「そうやな・・・。アイツにはどうにかして復讐を・・・」
キャイーン、キャ、キャワーン!ガフッ!
「えっ!?なんなんっ!」
振り返るとパトリックがカサでクソ犬をボコボコにしていた・・・。
ザマアミロ!
3日後にワクチンを打ちに来いと言われておったのに、ボクチン次の日からパタヤに夜遊びに行ってしまった。
結局噛まれて5日後にワッチラ病院に行くと、看護婦さんにメチャメチャ怒られるハメに。
「死にたいの?」
「マイチャーーーーーーイ!」
ホンマにすんません。
結局ワクチン接種は最初からやりなおし。
おかげで帰国日が来てしまい、日本で継続してワクチンを接種することになった。
そして初めて海外旅行保険のお世話になりました。
みなさん、犬とタイの看護婦には注意しましょう。