2009年 11月 23日
ブランキーの男 その1
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こいつとはバンコクで知り合った。
もともと虹村兄さんの知り合いで、兄さんがドイツへワールドカップを見に行った際に一緒にいたようだ。
兄さんを追ってタイに流れ着き、バンコクのミッドナイトパトロール隊に入隊した。
彼もなかなか精力的に活動をして、ぼくらとともにバンコクの治安維持に活躍したのである。
本来ならぼくらの功績は称えられ、「夜警」のような名画に描かれてもよさそうなもんだ。
しかし、「ドラえもん」や「Dr.スランプ」といったジャパニーズアニメに侵されているバンコクではレンブラントのような画家は育たず、国自体がペンギン村と化してしまったのである。
ベンジーもなかなかの変わり者だった。
とにかく負けず嫌いなのだ。
トムヤムクンの中に入っている食べられないもの(レモングラスやしょうがのブツ切りなど)まで完食。
この過ちは以前にぽっくんもやってしまったのだが、ベンジーは平気で「うまかった」と言い残している。
前にも触れたが、タイには「ソムタム」という食べ物がある。
ガイドブックには「青パパイヤのサラダ」と書かれているが、あれは是非JAROにどうにかしてもらいたい。
「青パパイヤのサラダ」から想像するさわやかなイメージとは程遠い食べ物なのである。
まず8割の日本人は「パパイヤ」と聞いただけで精神を南国へ持っていかれ、正気を失ってしまう。
おまけに「サラダ」である。
「サラダ」イコール「ダイエット」or「ヘルシー」といった正のイメージがある。
ところが実際のソムタムは、米国メリーランド州産正統派デスメタル、ダイイング・フィータスのような邪悪な食べ物である。
唐辛子のデスボイスが脳を直撃し、腐ったカニがハサミをスティックがわりにブラストビートを御見舞いする。
食べた瞬間意識が一発でとんでしまうので、のりピーも是非ソムタムを試してほしかった、残念っ!
そんなソムタムもベンジーは完食してしまうのである。
「こいつデスってるわぁ」と思わず感心してしまった。
が、当然のようにトイレットへ直行である。
それでも弱音を吐かない。
変わった哺乳類である。
さて、いつものように前置きが長くなったが、ベンジーもインドを目指していた。
割と一匹オオカミ的行動をとるベンジーだったので、ぼく、山ちゃんとともにインドへは行かなかったが、コルカタで落ち合うことにした。
ぼくがセンターポイントで数日タバコと格闘していると、「おぉ~、ここじゃん!」と言ってベンジーは合流した。
相変わらずムセてはゲロを吐くことを繰り返しているボクと違って、ベンジーもうまそうにタバコを吸っていた。
「くぅうう、いいねぇ、やっぱ!myさんもズバッといきなよ」
インドに来てなにも楽しみがないぼくは、なんとかコイツをひとつの楽しみにしたかった。
スゥゥゥ…。
ゲホゲホゲホッ!!
「あはは、ダメだよ、フィルターまでいっちゃってんじゃん。わは」
もういやなんですけど、この国!
知念里奈にフルーツインゼリーをア~ンしてもらってる妄想しながら寝るよっ、もう!
by myproblem
| 2009-11-23 01:41
| インド