
ぼくが最初にインドを認識したのは小学生のころ読んだ「ジョジョの奇妙な冒険」である。
こじきがバクシーシ連発、花京院がいきなり財布をすられるなんてのを読んで、「インドって最悪な国やなぁ」って思った。
でも、当時一番好きだったJ・ガイルとホルホースが出てくる場面だったのでとても印象に残っている。
ついに来たか、ハングドマンの街。

とにかく少しインドルピー持っててよかったぁ。
以前さくらGHで会ったインド帰りのパッカーからいいレートでルピーを譲ってもらったのだ。
インドルピーみたいな金はバンコクでは役に立たない。
だから出国する前に使い切ってしまうのがセオリーだ。
ラオスのキップ(キープ)やカンボジアのリエルなんかもそう。
ラオスやカンボジアではタイバーツがそのまま使える。
でも逆にキップやリエルはタイでは使えない。
強い金と弱い金があるんやね。
さくらGHで会ったインド帰りくんは、出国間際に使い切れないぐらい両替してしまったらしい。
ぼくも気をつけやなあかんなぁ。
さて、コルカタの空港からぼくたちが目指すのは、パッカー向けの安宿が集まっている「サダルストリート」である。
コルカタに来たパッカーはまずサダルストリートへ行け。
そう、ここにもカオサンロードのようなバックパッカーゾーンがあるのだ。
空港から結構離れているためタクシーを使いたかったが、ここはインドである。
この旅の初めにバンコクの空港でタクシーに乗り、ひどい目に遭わされているぼくは、かなり警戒しておった。
空港にいるタクシーは外国人をカモにしているのでたちが悪い。

サダルストリートへの行き方は、以前コルカタに行ったことのある虹村弟にあらかじめ聞いておいた。
空港からてくてく歩きバス通りに出る。
バスで地下鉄のダムダム駅へ。
パークストリート駅で降りてしばらく歩くとサダルストリートが見える。
とまあこんな説明だったのだが、まず空港からバス通りまでが遠い。
実際そんなに距離はないと思うが、初めて来た街なので「バス通り」がどこかがわからない。
ちょっとした道があるたびに「ここか?いや、こんな細い道とちゃうやろ。でも、ここインドやし…」みたいな不安がよぎる。
おまけに暴力的な暑さとこなきじじいのようなバックパックの重量が不安と疲労を倍増させる。
やっとこバスが走っている通りに出る。
が、ここで再び絶望感が…。
走っているバスはバンコクのおんぼろ緑バスをさらにダメにしたような感じで、乗車率は150%なのである。
おれたち発狂するな、たぶん…。
そう思いながらもバスに乗る。
これまたバスに乗ってる時間が長く感じられた。
はぁ、サダルストリートまで辿り着けるんか!?


